
留学とホームステイ。これは切っても切れない関係のように語られています。もともとは留学エージェントが儲けるために広告して、それが広まったことが要因だと思いますが、ホームステイをしてみたい人は多いことでしょう。今回はホームステイをうまく使いこなす方法を現実と照らし合わせて紹介します。
想定読者
3カ月以上の留学をする予定の人を想定しています。
それより短い場合は、一部のアドバイスの意味が無いかもしれません。それでも、ホームステイしたい人にはかなり参考になると思います。
ホームステイとは?
バンクーバーに留学する場合、住む場所はだいたい以下の3パターンになると思います。
- ホームステイ(3食付き)
- ホームステイ(食事なし)
- シェアハウス
もちろん他にもアパートやホテルなどの選択肢もありますが、旅行と違って留学はお金を節約して長期で滞在する人がほとんどでしょうから、この3パターンを覚えておけば十分です。むしろ旅行でも、Airbnbで個室のシェアハウスを探した方がリーズナブルです。
一般的に留学エージェントがホームステイと言う場合は「ホームステイ(3食付き)」の事を指します。
ほとんどの留学生は、留学エージェントの言われるがままに最初の何カ月かをホームステイで過ごし、慣れたところでシェアハウスを探して引っ越します。何でもそうですが、言われるがままにすると損をしますので、ホームステイを契約する前にこの記事で予習して下さい。
ホームステイのメリットとデメリット
それでは、ホームステイの良いところと悪いところを見ていきましょう。
メリット
- 初めての海外の場合に安心できる
- ネイティブな英語を話せるカナダ人の家にホームステイできれば英語の学習になるし、カナダの文化を知る事ができる
- カナダ人家族とわいわいと遊びに行けたら楽しい(イメージ)
デメリット
- シェアハウスより費用が高い
- 留学エージェントを通すとマージンを取られてさらに費用が高くなる
- カナダは移民大国なのでネイティブな英語を話せるカナダ人の家にホームステイできる可能性は低い
- 留学生はお客さんなので、家族のイベントにはほとんど参加させてくれないことが多い
どうですか?気づいた方も多いと思いますが、ホームステイのメリットに関しては、初めて海外に行く場合を除いてほとんどありません。ほとんどの人はカナダ人家族と楽しい生活を送り、英語も学べて、文化も学べると思っていると思いますが、そんな良い環境は現実にはほとんどありません。もちろん、自分で現地で探せば見つけることはできるかもしれませんが、留学エージェントに頼んだ場合は難しいと思っておいて下さい。カナダの場合は移民が多いので、基本的にホストファミリーは英語が下手なアジア系移民か、少し訛りがあるフィリピン系移民(一応、移民なので両方とも国籍上はカナダ人)になる可能性は高いです。
ホームステイ体験談
私がホームステイした時は、ホストファミリーはアジア系移民でカタコトの英語しか話せなかったため、英語の学習には何の効果もなく、家ではずっと中国語の音楽やテレビが流れていました。カナダというより中国に留学している気分でうんざりしたのを覚えています。一応、最初の2回程度はドライブには連れてってくれたので、少しは気を使ってくれていたと思いますが、望んだ物とは全く違いました。
対比のために私の友人の場合も紹介します。
ある友人の場合は、ホストファミリーはフィリピン系移民でした。フィリピン人は陽気な人が多いので、家族みたいに扱ってくれたそうです。この場合は家族みたいな雰囲気が好きな方なら楽しめたかもしれません。ただし、食事はフィリピン料理で、生活はフィリピン式なので、これもまたカナダというよりフィリピンに留学している気分だったそうです。
さらに別の友人の場合は、ホストファミリーはフィリピン系移民でしたが、ほとんどホストファミリーと会うことは無く、食事の時に配膳してくれる程度の希薄な関係だったそうです。これは完全にお金目的でやっているパターンですね。
うーん、やはりこう見てみると、現実として留学生が思い描いている素晴らしいホームステイ生活は厳しいと言わざるを得ません。
では、ホームステイはしない方が良いのでしょうか?
いいえ、そこまでは言っていません。何と言っても初めてカナダに行く時に待っててくれる人がいるのは何より安心できます。ホームステイはもはや安心を買っているようなものなのです。保険と同じですね。
ホームステイの最適な日数は?
では、安心のために初めてのホームステイをする事を決めたとして、期間はどの程度がベストでしょうか?
ずばり、1カ月〜2カ月がベストです。
前述の通り、留学エージェントを通しているため費用は割高になっています。なので、できる限り滞在期間は短くするように計画するのが賢い方法です。
本当はここで1カ月がベストだと断言したかったのですが、私の経験上特に男性はシェアハウスを見つけるのが難しい傾向にあるので、それを考慮して1カ月〜2カ月としました。
私の場合は2カ月のホームステイでしたが、次のシェアハウスを探すのに3週間程度かかりました。部屋探しの方法は別の記事に書くと思いますが、費用面と清潔感を考慮すると、どうしても長引きます。特に、カナダの物件は「only female(女性限定)」と書かれているものがかなり多いので、残念ながら男性にとっては不利です。良い物件だと思って問い合わせても男性だと言う理由で断れます。
知り合いのカナダ人女性は、カナダ人の彼氏が引越し先が何カ月も決まらずに居候していたことがあったと言っていました。現地のカナダ人でも男性だと部屋探しは大変のようです。
それでも、無駄な費用を最低限に抑えたい人は、1カ月でも大抵は大丈夫だと思います。1カ月の場合はバンクーバーに住み始めて最初の週から次に住む場所を探し始める必要があるので計画的に動いて下さい。私のようなダラダラしたい体質の場合は、2カ月必要になってしまいますが。
ホームステイの費用の目安は?
これは私の場合の費用を言うしか無いでしょう。私は2カ月のホームステイでしたが、費用は以下になりました。
- 2カ月のホームステイ費用: 175000円 ($32/日 * 30日 * 2カ月 * 91円/カナダドル)
- 手配料金: 25000円 (語学学校の手配も含む)
うわー、結構高く付いていますね。ただ、他の留学のエージェントと比較して決めたので、この金額自体は一般的だと思います。こう見ると手配料が少ない留学エージェントを探すのは良い考えですね。
直接ホームステイ先と交渉した方が安いのか?
費用面のよくある質問として、そんなに高いならエージェントを通さずに直接ホームステイ先と交渉すれば安いのでは?というものがあります。
結論としては、安いです。
私の場合のホームステイの費用と原価の関係は以下になります。
- ホームステイ先の原価: $29/日(ホームステイ先が留学エージェントに要求している金額)
- 留学エージェントの請求額: $32/日(エージェントが留学生に要求してくる金額)
つまり、マージンは$3/日で、1カ月$90 ( $3 * 30 ) なので、日本円で月に約9000円余分に払っていることになります。これはお金の無駄です。
ただし、そうは言っても留学エージェントを通さない場合、どうやってホームステイ先を探して交渉するのか?という問題があります。実はホームステイ先を探す程度であればJPCanadaなどを利用すれば簡単なのですが、日本からカナダのホームステイ先と交渉するのはリスクが高すぎます。というか、現実的に無理です。もちろん、英語堪能でカナダの住宅事情に詳しい交渉上手な人ならやってのけることができるかもしれませんが、そんな人は留学する必要はありませんよね。
なので、現実的には、最初はホームステイを選ぶのが無難だと言えます。まあ、日本でもそうですが、見学してないで物件を決める人なんていないですよね。
ただし、直接ホームステイ先と交渉する方法は、ホームステイ先を延長したい場合にはとても有効です。なぜなら、今住んでいるホームステイ先やバンクーバーの事を把握した状態で交渉できるからです。
また、この方法を取る場合は、くれぐれも先にホストファミリーに相談するようにして下さい。留学エージェントに先に相談すると、気づかれた場合に面倒な事になる場合が想定されます。ちなみに、私がなんで原価を知っているかと言うと、ホストファミリーに直接聞いたからです。私の場合は両方に費用を聞いた上でうまくやりましたが、リスクを避けるために留学エージェントに聞くのは後でと覚えておくと良いと思います。
ホームステイ先への行き方
最後に、ホームステイ先が決まった後で、実際にバンクーバー国際空港に着いてから、電車やバスでダウンタウンの半径20分圏内のホームステイ先への行き方も説明しておきます。なぜなら費用が異なるからです。選択肢は以下です。
- 留学エージェントに送迎してもらう (20000円くらい)
- タクシーを使う ($40くらい = 3600円くらい)
- 電車やバスを使う (カナダラインで$9くらい = 810円くらい)
この送迎費は、ホームステイ先を決めた後に、留学エージェントがこっそり費用に含めようと仕掛けてきますが、明確に断りましょう。送迎してもらうくらいならタクシーを使った方が良いです。私は普通にタクシーを使いました。カナダは先進国なのでタクシーでぼったくられることもないので、日本と同じ感覚でタクシーを利用するのが良いと思います。行き先も英語で伝える必要はありません。ホームステイ先の住所を印刷しておいて見せればOKです。下調べが万全にできる人は電車やバスを利用するのが一番お得です。私の友人は電車を使っていました。
また、先程さらっと書きましたが、もし留学エージェントが選んだホームステイ先が電車やバスでダウンタウンに行くのに20分よりかかる場合は、文句を言ってホームステイ先を変えてもらいましょう。それはかなり留学エージェントに能力がない証拠です。私の場合は電車で15分圏内でした。ダウンタウンにアクセスし易い便利な場所を選ぶのは留学エージェントの仕事です。手配料もマージンも払っているのですから当然ですね。
最後に
いかがでしたか?初めての留学であればホームステイをしたいというのは自然な考え方です。ただし、安易にホームステイを選ぶのではなく、他の選択肢や現実を考慮した上で決めるのが良いと思います。現実はFacebookのフィードように良いことばかりではないので。とは言っても、留学エージェントを比べて見るのも面白いので、楽しんでホームステイの準備をして下さい。結局何でも楽しむのが一番です。