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2018年11月12日 By KD コメントを書く

Docker上でPython FlaskのRESTアプリケーションを構築し、Visual Studio Codeからリモートデバッグする方法

Docker上でPython FlaskのRESTアプリケーションを構築し、Visual Studio Codeからリモートデバッグする方法

Docker上にアプリケーションを構築するのが一般的になってきた昨今、Dockerコンテナへのリモートデバッグはバグ解析には必須です。今回は、Visual Studio CodeでPythonのFlaskで作成したRES APIアプリケーションをリモートデバッグする方法を紹介します。

はじめに

FlaskはPythonでサーバーサイドアプリケーションを作る人気のフレームワークです。Visual Studio CodeはもとはJavaScript向けのエディタでしたが、今ではPythonの開発環境としても人気のエディタです。

リモートデバッグとは、リモート(ローカル以外)で稼働しているアプリケーションに対して、ローカルから接続して、デバッグすることです。Docker上にあるアプリケーションをデバッグするには、リモートデバッグで行う必要があります。

今回は、Docker上でFlaskで作ったREST APIアプリケーションを構築し、そのアプリケーションへVisual Studio Codeからリモートデバッグしていきましょう。

前提

以下の準備が整っている必要があります。

  • Dockerがインストールされている
  • Visual Studio Codeがインストールされている(Python用の基本設定は以前の記事を参照してください)
  • Python3がインストールされている

細かいバージョンは「環境」を参照してください。

Docker上に簡単なFlaskのREST APIアプリケーションを作る

ベースを作る

まずはデバッグする対象となるRESTアプリケーションを簡単に作成しましょう。FlaskでRESTなAPIを作ります。

$ mkdir flask-vscodea-app
$ cd flask-vscodea-app/
$ touch app.py
$ touch requirements.txt
$ touch Dockerfile
$ touch docker-compose.yml

Dockerの設定ファイルを作る

今回のアプリケーションはFlakeのアプリケーションからMongoDBを使う構成にします。

Dockerfile

以下のようにします。

FROM python:3-slim-stretch

WORKDIR /usr/src/app

COPY requirements.txt ./
RUN pip install --upgrade pip setuptools \
  && pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

ENV PYTHONUNBUFFERED 1
ENV FLASK_APP app.py

COPY ./ ./

EXPOSE 5000

CMD python app.py

注意点としては、PythonのイメージとしてAlpineを選択するとビルドできないパッケージがあるという点です。Dockerに慣れているとAlpineを選択しがちですが、PythonではSlimを選択するのがベターです。

また、DockerでPython環境を構築する場合は、venvで仮想環境を構築する必要はなく、単にグローバルにパッケージをインストールして使います。

docker-compose.yml

FlakeのアプリケーションからMongoDBを使う構成になるように以下のように書きます。

version: '3'

services:
  web:
    build: .
    ports:
      - "3000:3000"
      - "5000:5000"
    environment:
      - FLASK_ENV=development
      - REMOTE_DEBUGGING=False
    volumes:
      - .:/usr/src/app
    links:
      - db

  db:
    image: mongo
    ports:
      - "27017:27017"

外部ポートは、Flaskアプリケーション用に5000ポート、リモートデバッグ用に3000ポートを開けてあります。

Flaskアプリケーションを作る

簡単なREST APIを作ります。

requirements.txt

インストールするパッケージのリストを書きます。

ptvsd
Flask
flask_restful
pymongo

app.py

Flaskのアプリケーションを書きます。

今回は環境変数として「REMOTE_DEBUGGING」のフラグを持たせることで、REMOTE_DEBUGGINGがTrueの場合にリモートデバッグができるようにしています。

注意点としては、リモートデバッグする時は、Flask実行時に「––no-debugger」(debug=False)と「––no-reload」(use_reloader=False)のオプションを有効にする必要があります。詳しくは公式ドキュメントを参照してください。

動作確認

それでは、APIの動作確認を簡単にしましょう。

OKですね。

Visual Studio Codeでリモートデバッグする

次に、Dockerへのリモートデバッグをやってみましょう。

ローカルにptvsdをインストールする

Visual Studio Codeでリモートデバッグする場合は、PTVSDをローカルとDockerコンテナの両方にインストールする必要があります。

Visual Studio Codeのデバッグ設定ファイルを作る

Visutal Studio Codeを開き、デバッグボタンから「構成の追加」をクリックします。

NewImage

「Python」を選択します。

NewImage

すると、ローカルに「.vscode/launch.json」のファイルが作成されます。

NewImage

launch.json

「.vscode/launch.json」にリモートデバッグ用の設定を以下のように追加します。

リモートデバッグ用のポートを3000に設定しています。今回のDockerの設定ですでに3000ポートは開けてありますね。

動作確認

それではリモートデバッグの動作確認をしていきましょう。

まずは、REMOTE_DEBUGGINGを有効にして、Dockerを起動します。

するとデータベースだけ起動して、以下のように接続待ち状態になります。

NewImage

Visual Studio Codeからデバッグで接続します。

NewImage

リモートデバッグの接続が完了するとFlaskアプリケーションが以下のように起動します。

NewImage

これでリモートデバッグの準備は完了しました。

次に、POSTしたデータを取得している箇所でブレークポイントを設定しています。

NewImage

コマンドラインからPOSTしてみます。

受信したデータがデバッグ画面に表示されています。

NewImage

これでリモートデバッグが動いていることが確認できました。

最後に

いかがでしたか?これでDockerコンテナ上にPythonでアプリケーションを構築した場合に、Visutal Studio Codeからデバッグできるようになりましたね。それでは。

環境

  • Visutal Studio Code: 1.28.2
  • Docker: Docker version 18.06.1-ce, build e68fc7a
  • Python: 3.7.1
  • pip: 18.1
  • ptvsd: 4.1.4

カテゴリ : 技術 Tips & Tutorials タグ : docker, flask, python, remote-debugging, vscode

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About Author

KD

世界を旅し日本を愛するエンジニア。大学でコンピュータサイエンスの楽しさを学び、日本の大手IT企業で働く中で、新しい技術やスケールするビジネスが北米にある事に気づく。世界に挑戦するための最大の壁が英語であったため、フィリピン留学およびカナダ留学を経て英語を上達させた。現在は日本在住でエンジニアとして働きつつ、次の挑戦に備えて世界の動向を注視している。挑戦に終わりはない。このブログでは、エンジニアやデザイナー向けの技術情報から、海外に留学したい人向けの留学情報、海外に興味がある人向けの海外旅行情報など、有益な情報を提供しています。

https://casualdevelopers.com/

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