
独自ドメインのメールアドレスはさまざまな場面で必要になります。今回は、格安でお馴染みのSAKURAのメールボックスを利用して、独自ドメインのメールの設定と、Gmailでその独自ドメインのメールを送受信するための設定を紹介します。
はじめに
フリーのメールアドレスよりも独自ドメインのメールアドレスの方が信頼度が高いことは言うまでもありません。個人でプライベートに使う場合や、小さいビジネスオーナーの場合であれば、月たったの86円で利用できるSAKURA(さくらのレンタルサーバ
)のメールボックスは良い選択肢です。
そのままSAKURAのウェブメールで独自ドメインを運用してもよいですが、Gmailと連携してGmailで送受信を可能にすることで、利便性を向上させると同時にメールの保存容量をかさ増しできます。
それでは、進めていきましょう。
前提
以下の申し込みや設定が完了している必要があります。
- SAKURA internet(さくらのレンタルサーバ
)のメールボックスに申し込み済みであること
- 独自ドメインを取得済みであること(Value-Domainやムームードメインなど)
- 新しいGmailのアカウントが作成済みであること
新しいGmailですが、今回は独自ドメインのメールとGmailを一対一の関係で使用します。
独自ドメインのメールの設定
SAKURA internetに独自ドメインを設定する
サーバコントロールパネルにログインします。
「ドメイン/SSL設定 -> 新しいドメインの追加」をクリックし、「ドメインの追加へ進む」を選択します。
ドメインの追加画面から、「ドメイン名」(仮にcustomdomain.comとします)を入力し、「送信する」をクリックします。
ドメイン設定画面から、「SPFレコードを利用する」を選択して、「送信」をクリックします。
次に独自ドメインを使ったメールアドレスを作ります。「メールアドレスの管理」から「メールアドレスの追加」で独自メールアドレスの頭(仮にinfo)を入力して、パスワードを入れて、「追加」をします。
これで独自ドメインメールの設定は完了です。
SAKURA internet(さくらインターネット)のサーバ情報を確認する
「サーバ情報の表示 -> サーバに関する情報」を表示します。
以下の情報をメモって下さい。(例です)
- アカウント: example
- 初期ドメイン: example.sakura.ne.jp
- ホスト名: wwwXXXX.sakura.ne.jp
Value-Domain(バリュードメイン)の場合の設定
Value-Domainに次にサーバ情報をDNS側にMXレコードとTXTレコード(SPFレコード)として設定します。
以下の情報を設定します。
- mx [初期ドメイン]. 10
- txt @ v=spf1 a:[ホスト名] ~all
mx example.sakura.ne.jp. 10
txt @ v=spf1 a:wwwXXXX.sakura.ne.jp ~all
実際の画面は以下のようになります。
これで完了です。
ムームードメインの場合の設定
次はムームードメインの場合です。同じく、サーバ情報をDNS側にMXレコードとTXTレコード(SPFレコード)として設定します。
以下の情報を設定します。
1行目
- 識別: MX
- 内容: [初期ドメイン]
- 優先度: 10
2行目
- 識別: TXT
- 内容: v=spf1 a:[ホスト名] ~all
1行目
- 識別: MX
- 内容: example.sakura.ne.jp
- 優先度: 10
2行目
- 識別: TXT
- 内容: v=spf1 a:wwwXXXX.sakura.ne.jp ~all
実際の画面は以下のようになります。
Amazon Route53の場合の設定
AWSのRoute53のコンソールから、対象のドメインを選択して、「Create Record Set」から以下の2つのレコードをそれぞれ追加します。
以下の情報を設定します。
MX – Mail exchange
- 10 [初期ドメイン].
10 example.sakura.ne.jp.
TXT – Text
- “v=spf1 a:[ホスト名] ~all”
"v=spf1 a:wwwXXXX.sakura.ne.jp ~all"
実際の画面はそれぞれ以下のようになります。
MX – Mail exchange
TXT – Text
それぞれ「Create」をすれば完了です。
これで2日程度で独自ドメインのメールが使用可能になります。
Gmailで独自ドメインのメールを送受信する
SAKURA internet(さくらインターネット)のメール転送設定をする
サーバコントロールパネルから、「メールアドレス毎の設定」を選択し、「ウェブメール」をクリックして開きます。
「設定」から「メールの転送 -> 新規作成」で、転送するGmailのメールアドレスを設定します。
これで、独自ドメイン宛に来たメールはGmailに転送されるようになりました。
Gmailを独自ドメインで返信可能にする
最後にGmailから独自ドメインとしてメールを返信できるようにします。
まずは右上の設定を選択します。
「アカウントとインポート」から「他のメールアドレスを追加」をクリックします。
以下を入力して、「次のステップ」をクリックします。
- 名前: メール返信時に表示される名前(任意)
- メールアドレス: info@custom domain.com(独自ドメインメール)
- エイリアスとして扱います: チェック
以下を入力して、「アカウントを追加」をクリックします。
- SMTPサーバー: example.sakura.ne.jp(初期ドメイン)
- ユーザー名: info@custom domain.com(独自ドメインメール)
- パスワード: infoのパスワード(独自ドメインメールのパスワード)
- TLSを使用したセキュリティを保護された接続: 選択する
独自ドメインメール宛にGmailから確認メールが届くので、リンクをクリックするか、確認コードを入力すれば追加が完了します。
最後に、追加した独自ドメインメール(info@customdomai.com)を「デフォルト」に設定し、「デフォルトの返信モードを選択」で「常にデフォルトのアドレスから返信する」を選びます。
これで、Gmailから独自ドメインメールで送受信できるようになりました。
おまけ
Macの「メール」の環境設定
Macで「メール」を利用する場合に、送受信したメールがSAKURAのメールボックスとうまく同期されないトラブルが発生した場合は、以下の設定を確認しましょう。
「メール」->「環境設定…」から以下のように設定されていれば正常です。
アカウント情報
メールボックスの特性
サーバ設定
最後に
いかがでしたか?これでSAKURAのメールボックスで設定した独自ドメインのメールアドレスをGmailで送受信できるようになりました。格安で独自ドメインのメールを運用できるなんて助かりますね。では。